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田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:18 パーセンタイル:74.47(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa + Pb, Ti + Pb, Ca + Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。Ca + Pb及びTi + Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方Ca + Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
柴田 恵一*; 長谷川 明*
JNC TJ9400 2000-004, 109 Pages, 2000/02
平成810年度に高速炉の炉心解析で重要な核種・反応について、評価済核データライブラリーJENDL-3.2に収納されている中性子核データの共分散を推定し、共分散ファイルを作成した。今年度は、作成した共分散ファイルの見直しを行い、データの改良を行った。改良されたのは16乗Oの非弾性散乱断面積、23乗Naの全断面積、235乗Uの核分裂反応断面積、238乗Uの中性子捕獲断面積及び238乗Uの分離共鳴パラメータの共分散である。また、233乗Uに関しては新たに共分散データを整備した。本研究で求められた共分散は、ENDF-6フォーマット編集されファイル化された。
高田 弘
Mathematics and Computation, Reactor Physics and Environmental Analysis in Nuclear Applications, 2, p.929 - 938, 1999/00
原研の中性子科学研究計画における標準核設計ツール整備の一環として、核子・中間子輸送コードNMTC/JAERI97の核反応計算部及び輸送計算部の両方について改良を行った。核反応計算については、アイソバー共鳴モデル、ストリングモデル及び摂動QCDモデルに基づく原子核反応計算モデル(JAM)を組み込んで、適用エネルギー範囲を従来の3.5GeVから200GeVに拡張した。24GeV陽子を入射した厚い水銀ターゲットの円筒側面におけるBi(n,4n)Bi反応率分布について、計算結果は実験値とおおむね良く一致し、その実用性が確認できた。輸送計算部については、20~100MeV領域の中性子微分弾性散乱断面積データを光学ポテンシャルによる計算値に変更し、弾性散乱の後方成分を正確に考慮できるようにした。鉄などの遮蔽体における43及び68MeV準単色中性子の透過スペクトル測定実験の解析計算を行い、C/E値が従来よりも顕著に向上することを確認した。
今野 力; 前川 藤夫; 和田 政行*; 小迫 和明*
Fusion Technology, 34(3), p.1013 - 1017, 1998/11
原研FNSで実施した鉄ベンチマーク実験の解析をJENDL Fusion File,FENDL/E-1.1,EFF-3.0ライブラリーを用いてDORTコードで行い、10MeV以上の中性子束の体系深部での大きな過小評価の原因を検討した。その結果、FENDL/E-1.1,JENDL Fusion Fileの鉄のデータのうち15MeV付近の弾性散乱の角度分布を最も前方の強いEFF-3.0のFeのデータと置き換えたライブラリーを用いると、10MeV以上の中性子束の体系深部での過小評価が大幅に改善されることがわかった。また、FENDL/E-1.1の鉄のデータと比べ、15MeV付近でJENDL Fusion fileの(n,2n),(n,np)反応断面積はそれぞれ9%、28%過大、EFF-3.0の非弾性散乱断面積では5%過小で、これらも10MeV以上の中性子束の体系深部での過小評価の要因であることを明らかにした。
Z.Pintai*; 高野 秀機
JAERI-Research 96-010, 72 Pages, 1996/03
JENDL-3.2は、JENDL-3.1より高速炉核計算への適用性が良く、それらの主な特徴は次のようである。(1)JENDL-3.2におけるPu-239の核分裂スペクトル、U-238の非弾性散乱断面積の再評価により、Pu炉心の実効増倍率が改善されている。(2)JENDL-3.2による大型ウラン炉心ZPR-6-6Aの実効増倍係数は実験値との一致がよい。これは、JENDL-3.2のU-235共鳴捕獲積分値が、JENDL-3.1より14%小さく評価されたためである。(3)ENDF/B-VIとJENDL-3.2のU-238非弾性散乱断面積の相違は、実効増倍計数に平均して1.4%の大きな影響を及ぼした。これは、両者で分離レベルと連続レベルの評価は極めて大きな相違があるためである。
高野 秀機; 金子 邦男*
Nuclear Science and Engineering, 77, p.250 - 256, 1981/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.27(Nuclear Science & Technology)鉄の非弾性散乱断面積の自己遮蔽因子を評価済み核データファイルENDF/B-IVとJENDL-2から計算し、その遮蔽効果が中性子スペクトルへ及ぼす影響を、高速炉臨界集合体ZPR-3-54とMZBに対して調べた。この遮蔽効果はスチール反射体中で顕著で、スペクトラムをより固くすることがわかった。反応率分布はこの遮蔽効果を考慮することによって、ブランケット部と反射体部において、fとfに対しては小さく、fに対してはより大きくなることが分った。 この鉄の非弾性散乱断面積の自己遮蔽効果は、原子炉の遮蔽計算や鉄の集合体におけるスペクトラム実験解析においては考慮されるべきものである。
沖田 将一朗
no journal, ,
原子力機構は、将来のJENDLの改定に向けて、核データライブラリの信頼性及び補完性の向上を目的に、既存の核データライブラリが対応していない空孔率の黒鉛の非弾性散乱断面積データの整備を進めている。具体的な方法としては、まず、原子炉黒鉛のボリュームゾーンである空孔率20%付近の黒鉛の分子動力学シミュレーションモデルを構築し、速度自己相関関数を評価する。次に、速度自己相関関数を基に、続く散乱断面積解析の入力となるフォノン状態密度を計算する。最後に、フォノン状態密度を基に、非弾性散乱断面積データを評価する。得られた非弾性散乱断面積データは、断面積の測定データを概ね再現し、既存の最新核データライブラリENDF/B-VIII.0及びJENDL-5に収録されている非弾性散乱断面積データに匹敵する信頼性を示すことが確認できた。今後、本成果をJENDLに反映することで、JENDLの信頼性及び補完性の向上が期待できる。